TECHNOLOGY 2015.05.27

未来のツールを考える サイバーエージェント × Vogaro

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サイバーエージェントとVogaroの対談第一弾。 スマートフォン、タブレット、ウェアラブルなど急速にデバイスが進化し、ユーザーの購買活動のあり方も変わりつつある今日。今回は、サイバーエージェントとVogaroが共同開発したEFOパッケージ「スマートUPフォーム」の開発背景から、今後のツールのあり方を探っていきます。

(左) 岩村 東正 Vogaro株式会社 Webソリューション事業部長
(中) 岡村 圭太朗氏 株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
    クリエイティブソリューション局 チーフプロデューサー
(右) 豊田 恵子 Vogaro株式会社 Webプロダクション事業部長 プランナー・CD/取締役

「ユーザーの消費スタイルにアジャストする」
豊田:
ツール誕生のお話があがったのは、確か2012年の秋くらいでしたよね。ECサイトなどの会員登録が必要なサイトには、フォームのおもてなし対応や改善が大切ですよね、と。
「サイバーエージェントさんではどういう提案されてますか?」という何気ない会話からスタートしたのを記憶しています。
岡村:
そうでしたよね。マーケットでは、PCサイトしか持っていない企業が多い時代だったので、スマートフォンの急速な普及に伴って、とりあえずスマートフォン対応をしないと利用が増えず、機会損失になってくるといった状況でしたね。
岩村:
「スマートフォンでモノを買う」というのが当たり前になりつつありましたよね。
スマートフォン経由の購入比率も当時半数を超えてきてましたから。
岡村:
スマートフォンの対応をしていないと、若者層を取りこぼしてしまう環境下でした。
例えば、若い女性などをターゲットとしたショップなら、デジタルの売り場自体をスマートフォンでも買いやすくすること。
実店舗で例えると、レジまで商品を持ってきてくれたユーザーをいかに離脱させずに購入完了までしてもらうかということ、ここの確率をいかに上げていくかということです。
豊田:
当時、EFOを導入したいけどコスト面がネックだったり、導入効果がよく分からないというクライアント様のお声もありました。
フォーム施策の重要性を啓蒙するという意味でも、コストメリットを利かせて気軽に導入してもらえるツールをつくりましょう、という背景もありましたよね。

「早期導入・安価導入が可能で、使い勝手のよいスマートツール」という、Vogaroの「LACNE」シリーズと同じ概念で、とにかくクライアントメリットと実際にフォームを利用するユーザーメリットを考え抜きました。
スマートフォンファーストで何が出来るか、どうすれば使いやすくなるかをユーザー視点で考えることで、ツールのユニーク性を出していきましたね。
岡村:
当時、EFOツールとしても定番商品が市場の中にはありましたけど、スマートフォンを考慮したものはほとんどありませんでした。
「スマートフォンのデバイス特性やUIを考えて最適な入力支援機能って何だろう?」を突き詰めたら、他ツールにはないオリジナル機能が生まれた感じですね。
豊田:
そうですね。例えば、「位置情報から住所登録できるようになったら便利よね」とか、「数字とかひらがなを入力するときに、入力キーを切り替えるのは煩わしい」とか。
煩わしく感じるものを自動でできるようにしようと、あくまでもごく当たり前のニーズをクリアにしていきました。
岩村:
入力支援機能だけではなく解析機能部分もこだわりました。googleアナリティクスでは担保できない解析も可能なので、どこで離脱しているかが詳細にわかることも特徴として出せたと思います。
データを握ることがポイントになる時代ですので、ユーザーの行動データを統計的に把握し、PDCAを高速回転させて売上向上に役立ててもらえるツールにできたと感じています。
「ツール視点ではなく問題解決視点」
岡村:
複数のLPを展開しているクライアントもたくさんあります。LPの中にフォームを組み込んでいるお客様の場合、そのフォームの数だけ費用がかかってしまうというのが従来からのボトルネックでした。
岩村:
その点をふまえて、スマートUPフォームの開発では機能を出来るだけ分離し、ニーズに合わせて柔軟に対応できるようにしました。
また、ASPサービスではフォーム数と比例してコストが上がるため投資対効果が低くなってしまいますが、スマートUPフォームはサーバーインストール型でランニングコストはかかりませんし、同一のフォームであればイニシャルコスト内で導入できます。
最近では、単にツールを導入するだけではなく、フォーム自体のUI改善まで提案することが多いです。フォーム全体、ひいてはサイト構造全体のコンサルティング的な領域まで踏み込んで、もっと価値提供をしていきたいです。
岡村:
それは大事なところですよね。単なるプロダクトセールスではなく、クライアントの立場からすると、「本当はプロダクト単位ではなくてもっとトータルで問題解決したい!」と思っているはずです。
そういった形で関わっていくことが、本質的に求められていることだと思っています。
「おもてなしの心をデジタルに乗せる」
岩村:
フォームという観点では、指紋認証とかウェアラブル端末などが出てきて、フォーム自体、近い将来無くなる可能性もありますよね。
今後は、それに代わる何かを探し続けていければと思っています。今後のツールとは、どうあるべきだと考えていますか?
岡村:
生活者のモノの買い方がどんどん変わってきているので、買い物自体を快適にする、楽しくする、そういったことが必要だと思います。
豊田:
徹底したストレスフリーですね。テクノロジーが進化し多様なサービスが形になることで、ITリテラシーの高い特別な層だけが使うものではなく、あらゆるユーザーにフレンドリーなツールを人々が当たり前に求めてくると思っています。
今後の高齢化社会を考えると、高齢者にも優しく、誰でもハードルなく使えるツールやサービスは、今後サービス企画を考える上でマストでしょう。
岡村:
結局のところ、スマートUPフォームでやったことは、「一回目の買い物の負担をどれだけ減らすか」ということだと思うんですが、そのプロセスにだけにこだわり続けることはないと思っています。

繰り返し買ってもらうことを仕掛けられるツールとか、買い方自体もPC、スマホ、タブレット、実店舗、しかも、いろんなシチュエーションで顧客が使い分けている点に対して、
どうやってアジャストしていくか考えていかないといけませんね。
豊田:
たしかに。「入力支援だけではないユーザー行動を網羅した支援」ですね。「買い物カゴに入れたのに閉じたのはどうしてか?」「どれくらいの頻度で閲覧しどのような回遊をしているのか」など、細かい行動や心理的欲求部分をフォローアップするような機能として入れていきたいですね。
単なる入力支援ツールではなくて、全ての行動支援を含めていくイメージです。
岡村:
デジタルの範囲だけで考えてしまうと偏りがちですが、これまでオフラインの接客サービスで培われてきたナレッジをどこまでオンラインに取り込んでいけるか、という視点が大切だと思うんですよね。
例えば、百貨店のデパ地下が混雑しそうな時、通路とレジの行列が混乱しないように混雑状況に応じてスタッフの方が列の仕切りをひく事によって、お客さんが混乱しないように対応してくれていますよね。
こういう発想が一番大切だと思います。

オンライン上でモノを買う時に、負担に感じたり障害に感じたりするものを先回りして、どうやって解決をしてあげるかという発想です。
レジ付近の動き以外でも、接客の中で培われてきている「おもてなし」の知恵を、どうやってデジタルの中でフィットするように発想をしていくか、だと考えています。
豊田:
私も同感です。これからは、より「個」へのアプローチや「個」の行動、嗜好性、行動履歴などから導き出していた、より個人にフィットした「おもてなし系」のツールやサービスがいろいろとでてくるのではないかと思います。
「テクノロジーで感動体験を生み出したい」
豊田:
そのときの欲求やテンションに合わせたサービスが、デジタルで実現できれば良いですよね。お客さんに寄り添って接客をする、真のニーズや満足度をもたらす仕掛けが実現できれば面白いです。
岡村:
そうですよね。今の「レコメンド機能」も同じ発想だと思うんですよ。
例えば、アパレル店舗のセールススタッフで、すごく優秀な人は、その顧客に対してどんな商品を持っているかというデータを溜めていくらしいですよ。

顧客のクローゼットを把握した上で、その人が持っていない商品アイテムとか、その人がすでに持っているものとどういう組み合わせをすれば、良いコーディネートができるかを提案できるかを考えている。
それが、昔ながらのオフラインの接客現場でやっていたレコメンドだと思うんですね。

レコメンドエンジンは、「学習させて提案する」ということをテクノロジーを使ってデジタルの売り場に提供をしているだけで、原点は昔ながらの接客現場にあったのだと思います。
豊田:
「キュレーションエンジン」のようなものがあれば良いですよね。どこで何を買ったかなど、全て覚えてくれているようなもの。
1つのショッピングサイトのレコメンドという範囲内だけではなくて、「ユニバーサルカード」のようなものに登録をすると、全ショップの購入データや行動を蓄積して、嗜好に合った新しいものを提案してくれるといったイメージです。
岡村:
自分も気付いていないようなニーズに気付かせてもらうと、ちょっと感動しますよね。
例えば、行きつけのレストランとかで、以前にアレルギーで食べられないと言ったものを次に何気なく来店した時にレストランの人が覚えていて「こちらに変えておきました」とか。
しかも、引き算ではなく足し算でやってくれる。

その食材を除くだけではなく、それに代わるような素敵な食材に変えて提供してくれる料理が出てきた時って感動するじゃないですか。
それって単に商品の売り買いという行為だけではなくて、そこに「感動体験」があると思うんですよね。

こういうのは素敵だと思いますし、テクノロジーを使うことで、そういった体験を作っていける可能性が広がると思います。
豊田:
それは、すごく思いますね。人間味と言いますか、ホスピタリティのあるone to oneが提供できれば良いなと思います。
必要なときに必要なだけ、でも時には密接な関係性を長期で構築できるような個人専用コンシェルジュエンジンみたいなものができれば良いですね。

これだけITが普及しても、まだまだアナログの感覚が多いと感じます。それは、人々の生活にまで落ちていないからだと思っています。
この乖離を埋められるようなツールは作りたいですね。
ITリテラシーの高い一部の人に受けるツールではなく、あらゆる人の生活を豊かに、毎日を快適にできるようなものをつくるというのは、一つの目標です。
「デジタルがもっと身近になる」
岩村:
アップルウォッチが世の中にリリースされましたよね。もう少し人々の生活の中にデジタルが身近になっていくのではないかと思っています。そこに関してはどう思いますか?
岡村:
ずっと前から言われているかもしれませんが、デジタルの普及によって人間の五感に近づいていると思うんですよね。
思い返してみても、これまで寝る時まで持っているデバイスなんてありませんでした。スマートフォンが登場して、それが当たり前になりましたよね。
身体と一体化してくるようなデバイスがあって、それにしかできないソリューションは絶対に出てくると思います。

アップルウォッチのように、スマートフォンよりも身体に近い距離感に存在するものは、血圧や静脈の測定や体温管理など健康機能などのソリューションを提供する上では重要になりますよね。
もしかしたら、これまでの健康診断のやり方が変わってくるかもしれませんね。

今後、昼ごはんを食べに行った時に、第三者的な視点から客観的なデータに基づいて食べるべきものを推奨してくれる、なんてこともあり得るかもしれませんね。
また、サプリメントを買う時にも、その情報を参考にしてオススメされる、などビッグデータも活用した様々な意志決定の用途に使われそうです。
豊田:
いろいろ妄想しだしたら止まりませんね(笑)。今後はデバイス自体にも、そういった情報を検知できる機能が備わって、デジタルサービスと融合してくるのではないかと思います。
マウスとかブラウザがセンサーになったり、体調や気分を検知したり。
岡村:
ちなみに、Vogaroさんでは何か新しいことを考えているんですか?
豊田:
ツールやサービスにも、クリエイティブが求められる時代になっているので、VogaroのUI・UXの強みを活かして、「このツールでここまでやるか!?」と、世の中をビックリさせられるような、シンプルな機能だけどハンパないUXを提供したいですね。
岡村:
期待しています。今後が楽しみですね。

ツールのあり方だけではなく、将来のデジタルプラットフォームのあり方まで妄想が膨らんだ1時間。
世の中に新しい価値を提供するべく、サイバーエージェントとVogaroの歩みは止まりません。


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