MARKETING 2014.07.10

『大学のSNS運用型コミュニケーション戦略-前半-』 ~急成長著しいLINEに見る新しい広報の形~

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-変わる大学広報-

大学の広報でTwitter、FacebookといったSNSを利用する大学も多い中、最近では「LINE」を利用する例も多く見受けられるようになってきました。
高校生のスマートフォン(以下スマホとする)を持つ割合が99,3%、その中でLINEを利用する割合が74%にも上り、近畿大学の平成25年度新入生アンケートでも、最も利用するSNSはLINEと答えた学生は半数を上回る結果が出ています。こうした数字を見る限り、大学側が広報の情報発信のツールとしてLINEを使おうとするのも頷けるというものです。

(資料:http://www.kindai.ac.jp/topics/2013/06/25882-snsline.htmlより引用)

また、今まで公式アカウントを作るには多大な費用がかかっていたのですが、LINE@という比較的安価で公式アカウントを作ることができるようになったというシステムの登場もLINEが広報ツールの1つとして使われるようになった背景の1つでしょう。
そうしてLINEというツールが注目される中、そこに焦点を当て、傾向や実例を分析しつつ、さらに学生や大学の実際の生の声も含めてまとめました。そして、大学案件も多く手掛けるIN VOGUE2015年入社であり、まだ学生の立場でもある私、ディレクターの北出が記事を書いていきます。

データから見る広報型SNS

では、まずはこちらのデータをご覧ください。

LINE

Twitter

Facebook

このデータは大学受験の情報サイトである「パスナビ(URL:https://passnavi.evidus.com/)」の記事中に載っている2014年の志願者数の多い私立大・志願者数の増加の多い私立大のTOP20、また同じく志願者数の多い国公立大・志願者数の増加の多い国公立大TOP10のデータを基に、その計60大学においてどの程度SNSのアカウントを所有しているかというものです。
データから利用率を見ると、まず最も使われているのがFacebookで77%、次にTwitterが50%、そしてLINEの27%となっています。
さらにこちらのデータもご覧ください。

こちらのデータはhttp://shibure.hatenablog.com/entry/2013/07/22/030939の表を基に作成した表で、LINEを使っている大学のおよそ1年間でのユーザー利用者数の推移を表したものです。
上記のデータを見ても、アカウント所有率はまだそこまで高くないものの、利用している大学でのユーザー伸び率は非常に高い増加率を博しており、今後LINEが広報戦略という面においてさらに増え、コミュニケーションツールのキーになっていくと考えられます。

LINEの特性を知る

まずLINEを利用する上で、LINEの特性とは一体どういったことがあるでしょうか?
PUSH通知表示も個人へのリーチ、開封率がメルマガと比べて高くなるという点で特性として挙げることが可能ですが、これはアプリなどでもそうであるのでLINEに限ったことではありません。
LINEだからこその特性としては、

・ユーザー数の多さ
LINEの日本のユーザー数は4700万人で世界一です。他のSNSと比べても、Twitter2000万人、Facebook2200万人と比べても倍以上の数字です。

・クローズドなものである
個人に確実に届くため、キャンペーン(クーポン等)の利用者率は高く、一度ファンになってもらえれば継続性は高いが、個人が拡散するような仕組みはないのでファンになってもらい、認知を高めるまでが難しいものです。

・リアルとの連動
さらに、LINEのメッセージ内でオープンキャンパスなどといったリアルなイベントで使えるクーポンやキャンペーン情報も発信することで、よりユーザーに関心を持ってさらにイベントへと誘導することができるといったことも可能となるO2Oの側面も持ち合わせています。

・新機能「お店トーク」
 これは20146月からスタートしたLINE@の新サービスで個人の問い合わせなどに対してそれぞれやり取りができるというサービスです。これにより例えば飲食店などでは、各店舗情報や予約情報などがLINEから入手できるようになり、これも来店促進などに繋げることができる特性です。

 こうした特性を上手く使うことがLINEで効果を上げる手段であると考えられます。

学生、大学の生の声

では、公式アカウントから情報を受け取る側のユーザー、そして実際に公式アカウントを運用する側(ここでは大学側)はどのような意見を持っているのでしょうか?
■学生
まずは、ユーザーである26人の学生に生の声を聞いてみました。初めに公式アカウントの友達登録をしているかという質問には26人中22人、実に85%の人が利用していることがわかりました。
また、登録している理由としては

・無料スタンプが欲しかったから
・割引クーポン、特典等を利用する
・情報収集に利用する

という理由が多く上がりました。また、「好きなアーティストや番組だから」、「翻訳サービスや占いな利用価値がありそうだったから」といった理由もあり、「自分に関係している・自分事である」というところが大きく関係しているなという印象です。
そして、友達登録している人、またしていない人にも公式アカウントにどういった内容を求めるか、友達登録したいと思うか、という質問には、

・自分に有益な情報(興味関心のある事柄)
・特典等使える便利なもの

という意見が大多数を占めました。ここでもやはり自分の好きな物事等といった点が重視されている印象です。

■大学
では、次に実際に情報を発信する立場として大学側、今回は私が在籍する大学でもあります龍谷大学の入試部の方に実際にお話をお伺いさせていただきました。
まず、LINEを広報に利用しようと思ったきっかけとして、

・高校生のLINEの利用率が高いというデータがあったから
・LINE@の導入費用が低かった
・大きな大学でやっているところがまだ少なかった

というお答えをいただきました。やはり、高校生のLINE利用率や導入費用などこの記事中で触れたような部分もやはり理由としてあるようでした。
また、実際に広報ツールとして使ってみて、導入はしやすかったしメルマガよりも開封率も高く、イベント前日、あるいは当日でも情報を流せる即時性もあり、効果として明確な数値はわからないものの確かな効果はあると実感はしているということでした。
しかし、最近ではLINEの使用を禁止する高校も出てくるなどLINEの利用頻度は社会問題になることもあり、それを助長するような形にならないように配信は週1回にする等の考慮をしたり、頻繁に情報を出したい場合はTwitterで、というような使い分けをするなどしているようです。こうした心配りが良い効果を生むのでしょう。
そこで、これからLINEをどう使っていきたいですか、という質問をしたところ、

・クーポン機能を使ってみたい
・アンケートもやってみたい

ということでした。クーポン機能はLINEにしかないサービスで、さらに人も集められそうだからという面が非常に大きな理由で、アンケートは学生の声を聞いてみたいということでやってみたいそうです。
また、現在は在学生向けのアカウントを作ろうかという検討もなさっているというお話も伺え、このLINEというツールの活用の幅を改めて感じました。

そこで、次回記事では具体的なLINE公式アカウントの運用法について実例等を用いて書いていきたいと思います。